婚約指輪失踪事件

昨夜、彼と映画を見に行きました。

出かけ前に、彼からもらったダイヤの婚約指輪をつけるのを忘れて、 「指輪は?」と聞かれ、久々に左の薬指につけました。

その指輪はくるくる回ってしまうほど、サイズが合わず、 私は気づかぬうちに、くるくるしてしまうのです。

そして彼に毎回、 「そのうち落とすよ」と言われていました。

映画へ向かう途中、またくるくるしていて、彼に怒られました。 「なくしたら、もう俺は立ち直れないよ」と。 そして私は 「やっぱりサイズ直してもらわなきゃねー」なんてのんきな事を言っていたのです。。。

ミスターインクレディブルを見るために映画館に入り、 彼が飲み物を買いに言っている間に事件は起きました。

くるくると指から指輪が抜け、席と席の間にころころっと落ちていきました。 「あー——-」 とスローモーションのように落ちて行くのが見えていました。

床に落ちたと思い、手探りで探しました。 ポップコーンがたくさん落ちていました。 なかなか見つからず、狭い席を立ったり、床に膝をつけたりして探しました。 見つかりません。 彼が戻ってきて、一緒に探しましたが見つからず、とうとう映画が始まってしまいました。 気が気でなく、映画どころではありません。 もしかして隙間に入ったと思い、ごそごそと短い指を突っ込んで探してみました。

すると中指の先にほんの少しダイヤの感触が!! これかも!!と思い、狭い隙間に一生懸命指を突っ込みました。 でも、それ以上指がはいりません。 泣きそうでした。 このまま、このダイヤはこの隙間に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

映画中、彼はいつも手を握ってくれるのに、今日はありませんでした。 映画のヒーローたちがうらやましくってなりません。 「あんなふうに私の指が細くなったらなー」 「あんなに力持ちになれたら、この椅子、力ずくで壊すのに・・・」 そんなことばかり考えていました。

映画が終わり、彼に「隙間にあるかも」と報告し、彼が探し始めました。 待つこと2分。 とうとう、彼の中指で指輪を釣り上げました。 黄金の中指。 うれしくて泣きそうでした。 そして、もう絶対くるくるしないと誓いました。

彼も映画どころではなかったらしい。 ほんとうにごめんなさい。